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『 住空間スタイル 』
Living Space Style

個人住宅について
 日本人は衣食住の「住」に対する関心が低かったように思われます。または、関心はあったが、その中身(間取りやデザイン)についての知識が乏しかったのかもしれません。これは、我々建築に携わるものの普及に対する努力不足に加え、国の責任もあるでしょう。ただ、最近は個々のオリジナリティーへの要求の強まり、また、多種多様になってきた生活様式等のため、「住」に対する関心は着実に高まっています。
〜 戸建住宅 〜
 「住」に対する関心の高まりによって、今まで大工さんや工務店さんに半ば任せきりだった住宅の設計やデザインに対して、個々の要求を取り入れてきているように思われます。各々の方が雑誌等でよく研究して正確にイメージを伝えられるようになってきたためでしょう。ただ、まだまだ充分ではないようで、ハウスメーカーや工務店主導で行われているケースも多いようです。
〜 集合住宅 〜
 戸建に比べて比較的好立地で利便性が良く、セキュリティも良い。また、管理のしやすさ等で人気のあるマンションですが、戸建住宅同様、間取りやデザインへの要求が高まっています。以前のような決まりきった間取りには満足できず、間取りが変えられるものが人気がありますし、デザイナーズマンションと呼ばれるものも人気があるそうです。ただ、間取りが変えられるのも水周りを除いてや法規制など、制約が多々あります。
 個人的な意見ですが、お年をめされた方には郊外の戸建住宅ではなく、都市部のマンション住まいがお奨めだと思います。前述したセキュリティや管理の問題に加え、買い物等日常生活・救急の場合の医療機関への利便さ・ある程度の刺激などが、その要因にあげられます。
〜 その他の住宅 〜
 嗜好・生活が多様化し、従来の住居形態だけでは対応が難しくなってきています。
在宅での仕事の方が仕事場(事務所や店舗)と併用で住宅を建てられたり、敷地の有効活用や老後のことを考えて賃貸住宅や貸店舗・貸事務所併用住宅を建てられたりなど、自分のライフスタイルや生活設計を自覚し、研究しはじめてきています。

 「家を買う」から、「家を造る」へ、そして「家を直す」へ

いつの頃から「家を造る」から、「家を買う」へと変わったのでしょう。
本来、家はそこに住まう家族の家族構成や生活スタイルに合わせて造られるべきであったはずなのに、いつの頃からか、家に家族のスタイルを合わせてきてしまったようです。
 「建売住宅」「分譲マンション」、それらのほとんどが決まった間取りであり、それを購入した時点から、それに合わせて生活スタイルを変更しているといった感じです。(勿論、これらを完全に否定しているわけではなく、それで充分に満足している方もおられるでしょうし、そこに住まうことでそれに合わせたスタイルの変更を楽しんでおられる方もおられるでしょう。)前にも述べたように、「家」はそこに住まう家族のスタイルの反映であり、面倒がらずに「家造り」に参加してもらいたいものです。また、自分がこだわって造った家には愛着がわくものです。そして、愛着のある家には住み続けていきたいと思うはずです。
 これからの時代、環境の面などからも今までのような「スクラップ&ビルド」というわけにはいかないでしょう。自分がこだわって造った家を時代の変化や家族構成の変化に伴って、「直す(リフォーム)」ことが必要になってきます。最近では、マスコミでも、小規模なものから大規模なものまでリフォームが取り上げられ、関心の高さが窺われますし、経済的な面からも この機運は益々、高まるでしょう。
賃貸住宅について
 分譲マンション同様賃貸住宅も、デザイナーズマンションは人気があり、人気のあるものは入居待ちだそうです。以前のような住まわせる側の論理だけでは、もう充分ではないのでしょう。
国の施策が充分でないため(ヨーロッパでは、賃貸住宅に住む人への補助が行われていたりする)、どうしても住まわせる側の論理(儲けの論理)にのみ偏りがちだったものが変化し始めてきています。賃貸住宅が飽和状態になりつつあるなか、住む側の立場に立ったものが求められているようです。
その他、建築全般について
 バブル期、様々な形態の建築物が建てられました。その中には、「名建築」と呼ばれ、人々に愛されているものもあれば、あまりにも奇抜で敬遠されがちなものなどがあります。ただ、建築がより密接になってきたことは確かであり、うれしいことだと思います。
皆がもっともっと関心を持ち、接していただければと思います。
 主に住宅についてここまで書いてきましたが、我々一級建築士はいろいろな用途・規模の建物を設計します。病院、店舗、工場、研究所等の民間のものから、学校や保育園等の公的なものまで全てです。それらは、勿論要求されることが各々異なり、様々な問題が発生します。そのような困難な場合でも、造る楽しさを忘れないよう、また、造る楽しさを伝えてあげられるようしたいものです。それを忘れずに出来た建物は自然に「人の和」ができるでしょうし、愛され残っていくものだと思います。一つでも多くそのような建物に携わって行きたいものです。
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